【追悼】東松照明氏

レクイエムが続きます…。

戦後の日本を代表する写真家・東松照明さんが
昨年12月14日に沖縄で亡くなられました。

tomatsu1.jpg
<2001年6月 東京にて>

東松さんとは、私の博報堂時代の上司、斉藤良吉氏が
愛知大学時代の親友であったことから知己を得て、
展覧会にもよく足を運んでくださいました。

写真界の「ヌーベルバーグ」の旗手であった東松さんは、
社会を鋭く見抜く眼力の持ち主で、思想家だったと思っています。
撮るジャンルは違っていましたが、多くの影響を受けました。

また、二人とも、同じ1986年に心臓のバイパス手術を受けたことで、
“心臓病の友”でもあり、会えばお互いに労わり合っていました。

私のポートレイト・シリーズに『石を聞く肖像』がありますが、
このシリーズを「オリジナリティがあってユニークだ」と励ましてくださり、
なんと、自ら、被写体となってシリーズに参加してくださいました。

ここに敬意を表して未発表の一枚を掲載いたします。
皆様にご覧いただき、ご冥福をお祈り致します。

木之下 晃

img977.jpg
<2001年6月撮影 ©Akira KINOSHITA>

*『石を聞く肖像』*



「この石を見て感じたことをカメラの前で表現してください」という投げかけに答えてくれた
200人を超える芸術家が、卵のような形の石を持った瞬間を捉えた肖像写真のシリーズです。

スポンサーサイト

【追悼】ベアテ・シロタ・ゴードン氏~the late Ms. Beate Sirota Gordon

ベアテ・シロタ・ゴードンさんが去年12月30日に
ニューヨークの自宅で逝去されました。

彼女は日本国憲法の、
男女同権に関わる草案を起草したことで知られていますが、
私は、名ピアニスト、レオ・シロタさんの愛娘だったことで
思い出を持っています。

ウィーン生まれの彼女は1929年に来日し、
5歳から15歳まで、東京の乃木坂に住んでいました。

レオ・シロタさんの愛弟子であったピアニストの故・園田高弘さんは
子供の頃シロタ宅に通ってレッスンを受けていたので、
5歳年上の彼女とは幼馴染みで、親しくされていました。

takahiro sonoda-blog
(2003年10月31日 サントリーホール楽屋にて)

この写真は、園田さんが75歳の記念演奏会を開かれた折に来日、
終演後、楽屋で旧交を温め、歓談されている時のものです。

演奏を聴いた彼女は
「レオ・シロタはブゾーニの愛弟子だったので、そのブゾーニが
 編曲したバッハに、とても感嘆した」
「プロコフィエフの戦争ソナタは、心に染みた」と
流暢な日本語で話されていたことを、よく覚えています。

亡くなる直前まで、平和と人権の大切さを語っていたという
ベアテ・シロタ・ゴードンさん。

ご冥福をお祈りします。

木之下 晃

諏訪内晶子芸術監督『国際音楽祭NIPPON』

inf_det_image_32.jpg

来月、横浜と仙台を会場に開かれる『国際音楽祭NIPPON』

ヴァイオリニスト・諏訪内晶子氏が芸術監督をつとめるこの音楽祭は、
世界で活躍する若手音楽家を中心に、
新しい試みを取り入れながら音楽を発信していこうというもので、
まもなく第一回の音楽祭が幕を開けようとしています。

そして、音楽祭会期中、芸術監督諏訪内晶子氏の出発点、
1990年チャイコフスキー国際コンクール
史上最年少優勝をドキュメントした秘蔵写真を、会場に展示することになりました。

横浜みなとみらいホール・エントランスには
モノクロの写真10点程が並びます。
また横浜美術館のカフェは、会期中音楽祭オフィシャル・カフェとして営業。
カフェの壁面にカラー写真8点を展示します。


Suwanai-blog1.jpgAkiko Suwanai-blog3
(左・緊張感が伝わる本選での演奏 右・受賞記念コンサート。 共にモスクワ音楽院ホール)



Suwanai-blog3.jpgAkiko suwanai15
(受賞翌日。モスクワの街にて)

木之下は、諏訪内氏が高校生の時から撮影をしており、
チャイコフスキー国際コンクールでは密着取材。
滞在していたウクライナ・ホテル、大使館でのパーティ、
リハーサル、本番、授賞式と撮影を重ねました。
特に優勝が決まった翌日には、一緒に赤の広場やグム百貨店など
モスクワの街を歩きながらカメラを向けたのですが、
ちょうどペレストロイカで食べるものから買うものなど、
何もなかったモスクワの街が印象に残っているとのこと。
今回、当時の写真を見返しながら
一緒に展示作品を選んだ際には諏訪内氏も
「あの時代のソビエトを知ったことが、ショスタコーヴィチ等を
演奏する上で大きな力になっている」と語っていました。

帰路は同じ飛行機に乗り、
成田空港で大勢のマスコミが待ち構えている所に向かう彼女を
その後ろからカメラに納めたのは
写真家として得難い経験だったと、木之下が云う一枚。

Suwanai-blog2.jpg


芸術監督の原点を、会場でもぜひご覧ください!

国際音楽祭NIPPON
2013年2月2日(土) ~ 16日(土) のうち9日間
横浜 横浜みなとみらいホール・横浜美術館・仙台 電力ホールを会場に開催。
詳しくはオフィシャルホームページで。
http://www.festivalnippon.com/


プロフィール

木之下晃

Author:木之下晃
音楽写真家木之下晃のブログです。
展覧会や出版のお知らせ、
撮影エピソードなどを紹介していきます。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR