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【追悼】サー・コリン・デイヴィス~The late Sir Colin Davis

英国の指揮者、サー・コリン・ディヴィスが4月14日に逝去されました。85歳でした。

巨匠のことは、79年にロイヤル・オペラと共に来日した時に
ホテル・オークラで初めて撮影しました。
そのときのポートレイトがこちらです。

sコリン・デイヴィス2-1

四半世紀後にこの写真を見た巨匠は
「ジョセフ・ウォルフか?」と一言。
そう、気鋭の指揮者、ジョセフ・ウォルフの本名は
ジョセフ・ファーハド・デイヴィス・ウォルフ。
巨匠のご子息です。
若かりし頃のご自身の姿を、息子さんと重ねて微笑んでおられました。

以来、来日の都度、カメラを向けてきました。

sコリン・デイヴィス4-2sコリン・デイヴィス6-2sコリン・デイヴィス5-2
左から
84年5月東京文化会館(バイエルン放送響)・98年5月サントリーホール(ロンドン響)・91年オーチャードホール(バイエルン放送響)


sコリン・デイヴィス3-2
84年5月コリン・デイヴィス夫妻 昭和女子大学人見記念講堂楽屋

シャムシイ夫人はイランの方で、64年に大恋愛の末に結婚。
愛妻家でもあり、3人のお子さんがいらっしゃいます。
79年9月21日、ロイヤル・オペラが東京文化会館で『魔笛』を公演したその日に
末のお嬢さんが誕生。
カーテンコールでは、おめでたを知ったパパゲーノ役のトーマス・アレンが、
たくさんの子供たちと一緒にウサギのぬいぐるみを持ってステージに現れ、
巨匠にプレゼントするという、ほほえましい光景が忘れられません。

sコリン・デイヴィス1-1

時間がある時には、サファカ郡にあるカントリー・ハウスで過ごされ、
そこでは読書、ガーデニング、クッキング、そしてニッティングを楽しまれたそう。
実は巨匠はセーターを編むのが得意でもありました!

お酒はあまり飲まれませんでしたが、
コンサートが終わるとグラス一杯のスコッチ「グレンフィディック」を
一気に“グイッ!”と飲み干すのが習慣なので、
オーケストラのステージ・マネージャーは終演が近づくと
「グレンフィディック」を小さな小さなグラスに1杯用意し、
楽屋の巨匠のテーブルに置くのです。

そして、ヘビー・スモーカーで、いつもパイプをくわえていたのも
印象に残っています。

sコリン・デイヴィス7-2
シリーズ『石を聞く肖像』より 98年5月撮影

温厚で、気品があり、ユーモアに溢れる氏は、
指揮者の中で最も優しい人柄の持ち主だったのではないかと、私は思っています。

巨匠の周りはいつも、気持ちを和ませる空気に満ちていました。
巨匠の音楽を聴き終わった後の充実感は
「音楽とは、結局その人の人柄の反映」と納得させられたものです。

どうぞ、やすらかにお眠りください。

木之下 晃

*『石を聞く肖像』*



「この石を見て感じたことをカメラの前で表現してください」という投げかけに答えてくれた
200人を超える芸術家が、卵のような形の石を持った瞬間を捉えた肖像写真のシリーズです。

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音楽写真家木之下晃のブログです。
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